インフルエンザが増えています
山口県では今年、例年より1か月早くインフルエンザ注意報が全域に発令され、患者数が増加しています。当初は、未就学児〜学生などの若年層での感染が中心でしたが、学校・幼稚園・保育園などで学級閉鎖が増えており、そこから家庭内にウイルスが持ち込まれています。この流れが続くと、今後は高齢者を含む年齢層への流行拡大が予測されます。
高齢の祖父母や基礎疾患のある家族が感染すると 重症化リスクも高く、家族単位での対策が重要です。
昨年度は、インフルエンザの流行拡大に伴い 治療薬の供給が逼迫し、抗ウイルス薬が不足する状況が発生しました。今年度も感染拡大が収まらない場合、同様の薬剤不足が再び起こる可能性があります。発症を防ぎ、重症化を避けるためにも、ワクチン接種による予防が非常に重要です。ワクチン接種がまだの方は、早めの接種をおすすめいたします。
インフルエンザの症状について
インフルエンザは、感染してから 1〜3日の短い潜伏期間 で症状が急に現れます。
症状の出方が突然で、「△△時ごろから急に寒気と高熱が出た」と時間を覚えている人もいます。
代表的な症状は以下の通りです。
- 38℃以上の高熱
- 強い倦怠感(体がだるい、動けない)
- 筋肉痛・関節痛
- 悪寒(寒気)
- 頭痛
- 喉の痛み
- 咳・鼻水などの呼吸器症状
- 嘔吐・下痢(特に子どもで多い)
※ 65歳以上では発熱が目立たず、ふらつきや意識低下だけで発症することもあり、注意が必要です。
インフルエンザの主な合併症
多くは自然に回復しますが、体力や免疫力が落ちていると、肺炎をはじめとする重い合併症を引き起こして重症化することがあります。特に高齢者・乳幼児(2歳未満)・妊婦・基礎疾患のある方は注意が必要です。
最も多い合併症は肺炎で、息苦しさ・咳の悪化・胸の痛みなどがみられます。いったん熱が下がっても再び発熱し症状が急に悪化する場合は、細菌性肺炎の可能性があります。
そのほかに、小児でみられるインフルエンザ脳症(意識障害・けいれん)や中耳炎、心筋梗塞や心不全の悪化、心筋炎などの心臓の合併症、喘息やCOPDなど呼吸器疾患の増悪、強い筋肉痛を伴う筋炎や横紋筋融解症などが起こることがあります。
以下の症状があれば早めの受診を
息苦しさ/胸痛/意識の変化/けいれん/40℃近い高熱が4日以上/いったん改善後の再発熱/水分がとれない/尿が減る など
検査と診断
インフルエンザが疑われる場合、鼻の奥から検体を採取して10〜15分で結果が出る迅速抗原検査を行います。 発症直後はウイルス量が少ないため、 発熱から12〜24時間以上経過していないと陰性になりやすいことがあります。 典型的な症状で陰性の場合は、翌日の再検査をおすすめします。
治療
インフルエンザは、 発症後48時間以内に抗ウイルス薬を開始することで症状の改善が早まります。ただし、発症直後の検査は正確でないため、 「発熱から12時間以上経過した段階」での受診をおすすめしています。
インフルエンザの予防(ワクチンについて)
インフルエンザを予防するために最も効果的なのがワクチン接種です。 ワクチンは「感染そのもの」ではなく、重症化を防ぐ力が強いことが特徴です。
効果
- 肺炎・入院のリスクを大幅に減らす
- 心臓病・肺疾患の悪化を防ぐ
- 家族内感染の抑制にも有効
接種のポイント
- 生後6か月以上の全ての方に毎年接種が推奨
- 接種後、効果発現まで約2週間かかるため、早めに接種をおすすめします。
特に推奨される方
高齢者/基礎疾患のある方/妊婦/免疫の弱い方/医療従事者/乳幼児と同居の家族
よくあるご質問
熱が出ました。受診に予約は必要ですか?
予約は不要です。
来院後に症状を確認し、インフルエンザが疑われる場合は抗原検査を行います。
感染対策や小さいお子さん連れで待ち時間が心配な方は、受付でお伝えください。
呼び出しブザーをお渡しし、車内で待機できます。
インフルエンザになった場合、職場や学校はいつまで休む必要がありますか?
大人と子どもで基準が変わります。
【大人(職場)】
職場の出勤基準は法律で一律には決まっておらず、職場の判断に従う必要があります。
一般的には、解熱後24時間以上経過し、全身状態が安定してから出勤を検討しますが、インフルエンザは解熱後もしばらくウイルスを排出するため、復帰直後はマスク着用を心がけてください。
高熱や強い症状が残る状態で無理に出勤すると、職場全体に感染が広がるため注意が必要です。
【子ども(保育園・幼稚園・学校)】
学校保健安全法により、「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)経過するまで」出席停止と定められています。
インフルエンザは何日くらいでよくなりますか?
高熱は 2〜3日で下がることが多く、全体の回復は1週間程度です。
咳やだるさは1〜2週間続くこともあります。
どんな人がインフルエンザワクチンを受けた方が良いですか?
生後6か月以上の全ての方 に毎年の接種が推奨されています。
特に以下の方は重症化を防ぐため積極的に推奨されます:
高齢者/基礎疾患がある方/妊婦/免疫の弱い方/医療従事者/乳幼児と同居の家族
妊婦ですが、インフルエンザになりました。薬は飲めますか?
はい。妊娠中でも安全に使える治療薬があります。
妊婦さんはインフルエンザが重症化しやすいため、早めに抗ウイルス薬で治療することが推奨されています。治療薬のなかでも オセルタミビル(タミフル) は妊娠中でも安全に使用でき、発熱のつらい症状には、アセトアミノフェン(カロナール) も妊娠中に使用できます。
また、妊娠中のインフルエンザは肺炎や早産などのリスクが高くなるため、発症を防ぐためのワクチン接種も強く推奨されています。妊娠中のワクチンは安全で、どの妊娠週数でも接種ができます。さらに、生後6か月未満でワクチンを打てない赤ちゃんを守る効果もあります。
症状がある場合は、自己判断せず、早めに医療機関へ相談してください。
子どもがインフルエンザになりました。何に気をつけて見てあげればいいですか?
お子さんがインフルエンザにかかったときは、次のポイントをやさしく見守ってあげてください。
- 水分をしっかり
脱水になりやすいので、水分を少しずつ何度も飲ませてあげてください。 - ゆっくり休ませる
- 食べられなくても心配いりません。まずはしっかり眠って体力を回復させることが大切です。
- 熱がつらいときはお薬を
- 必要なときはアセトアミノフェンを使えます。
- こんな症状があれば受診を:
ぐったりして元気がない/呼吸が苦しそう/嘔吐が続く/けいれんがある/水分がとれない/高い熱が3日以上つづく - 登校・登園の目安
発症から5日以上、かつ解熱後2日(幼児は3日)たつまではお休みが必要です。
