インフルエンザ後の肺炎が増えています
山口県では11月下旬にインフルエンザ流行発生警報が発令されました。
そして心配なことに、12月より若い方でもインフルエンザ後の肺炎で受診される患者さんが増えています。
インフルエンザは、基礎疾患のない元気な若い方では自然に回復することもありますが、高齢者や基礎疾患をお持ちの方では、肺炎などの合併症が起こりやすいことが知られています。一般に基礎疾患のない若い方でも約0.5%、高齢者や基礎疾患のある方では2.5%以上に細菌性肺炎を合併するとされていますが、今年は特に肺炎を合併する方が多い印象です。
当院で多くみられる肺炎の診断パターン
当院では、主に以下の3つの経過で肺炎が診断されています。
- インフルエンザと診断後、いったん解熱したものの、数日後に再び発熱し、咳や痰が増えて受診されるケース
- インフルエンザと診断後、発熱が数日間続き、咳や痰も悪化して受診されるケース
- 発熱後に医療機関を受診せず自宅で様子をみていたところ、発熱が数日間続き、咳や痰が増えてから受診し、インフルエンザと診断されると同時に、肺炎の合併が判明するケース
※ 65歳以上では発熱が目立たず、ふらつきや意識低下だけで発症することもあり、注意が必要です。
インフルエンザ後の肺炎が起こる仕組み
インフルエンザに感染すると、ウイルスによって気道の粘膜が傷つき、防御機能が低下します。その結果、二次的に細菌感染が起こりやすくなり、肺炎を発症することが多いとされています。肺炎の原因菌として最も多いのは肺炎球菌です。 そのため、65歳以上の方は肺炎球菌ワクチンを接種し、インフルエンザ後の肺炎リスクを減らすことをおすすめします。ワクチンの詳細はこちら
インフルエンザ感染後、肺炎が疑われるサインと検査
肺炎を疑う症状として、次のようなものがあります。
- 発熱が3~5日以上続く
- いったん熱が下がった後に再び発熱する
- 息苦しさ、咳や痰、胸の痛みなどの症状が悪化する
このような場合には、血液検査、レントゲン検査、喀痰検査などを行い、肺炎などの合併症の有無を確認します。
肺炎を合併している場合には、抗菌薬による治療が必要となります。
インフルエンザに感染していない方へ(予防のお願い)
現在流行しているのはインフルエンザA型が中心ですが、例年、少し遅れてB型が流行する傾向があります。 また、すでにインフルエンザA型にかかっていた場合でも、ワクチン接種によってB型など他の型のインフルエンザに対する抗体をしっかり作ることができます。 「今さら…」と思わずに、予防接種がまだの方は、ぜひ接種をご検討ください。詳細はこちら。 あわせて、
- 手洗い・手指消毒
- マスク着用
- 体調不良時の外出を控える
といった基本的な感染対策も引き続き大切です。
最後に
「インフルエンザは自然に治る」「薬をもらったから大丈夫」と思っていても、 発熱が長引く、解熱後に再び発熱する、咳や痰が悪化する場合は、肺炎を合併している可能性があります。 肺炎は数日で急速に進行することもあるため、若い方でも早めの受診が大切です。 また、発熱があるにもかかわらず、仕事や家事、子育てなどで無理をして日常生活を続けることで、十分な休養が取れず、肺炎を引き起こす若年層の方も増えています。 体調が悪いときは無理をせず、少しでも異変を感じたら早めにご相談ください。
