新しい肺炎球菌ワクチン「キャップバックス(PCV21)」が登場しました
~ 一度の接種で、より広く、より長く肺炎から守ります ~
肺炎球菌は、肺炎や髄膜炎などを引き起こす細菌で、特に高齢の方や持病のある方では重症化しやすいことが知られています。 日本では65歳以上の方を対象に「肺炎球菌ワクチンの定期接種制度」が設けられており、65歳になるとお住まいの自治体から接種券(お知らせ)が届きます。 この肺炎球菌ワクチンは、実は半世紀以上の歴史を持つ長年の予防法ですが、2025年10月29日、新しい世代のワクチン 「キャップバックス(PCV21:21価肺炎球菌結合型ワクチン)」 が登場します。
肺炎球菌ワクチンの歩み
- • 1970年代:肺炎球菌ワクチンが登場
世界で初めて実用化され、現在主流の ニューモバックス(PPSV23:23価肺炎球菌ワクチン) の原型となりました。 - • 2010年代:小児への定期接種が開始
2010年にPCV7、2013年にプレベナー13(PCV20:20価肺炎球菌結合型ワクチン)が定期接種となり、子どもの重症肺炎球菌感染が大幅に減少しました。 - • 2014年:高齢者への定期接種が開始
ニューモバックスが65歳以上の方を対象に公費接種の対象となりました。 - • 2025年:新時代の「キャップバックス(PCV21:21価肺炎球菌結合型ワクチン)」登場
従来で防ぎきれなかった菌にも対応し、成人の肺炎球菌感染の約8割をカバー。
1回の接種で長く免疫が続く、次世代型のワクチンとして承認されました。
キャップバックスの特徴
- ・肺炎球菌には90種類以上の血清型があり、キャップバックスは成人に多い型の約80%をカバー。
⇔ 従来のニューモバックスは約56%をカバー - ・従来のワクチンでは防げなかった新しい菌型(15A、23A、35Bなど)にも対応。
- ・「結合型ワクチン」により、免疫細胞がしっかりと“記憶”を作るため、1回の接種で長期間免疫が持続(再接種が不要)。
⇔ 従来のニューモバックスは、効果が約5年で弱まるため5年ごとの再接種が推奨されています。 - ・ 安全性は従来ワクチンと同等で、すでに海外でも承認・使用が進んでいます。
接種について
- ・接種開始日:2025年11月1日~
- ・接種回数:1回(生涯で1回の接種で効果が持続)
- ・費用:15,000円(税込) ※現時点では公費助成の対象外のため、自費となります。
- • 事前予約が必要となりますので、ご希望の方は、お電話もしくは受付にてお問い合わせください
費用と効果の比較
従来のニューモバックス®(PPSV23)は、効果が約5年で低下するため、5年ごとの再接種が推奨されています。1回あたりの自己負担は約8,500円、2回接種すれば合計で約17,000円となります。
一方、キャップバックス®(PCV21)は、1回の接種で長期間免疫が持続するとされており、再接種の必要がないのが大きな特長です。
結果として、長期的に見るとキャップバックス®の方が費用対効果に優れ、経済的にも効率的です。
肺炎球菌ワクチン選択の考え方
~ご自身に合った肺炎球菌ワクチンを確認しましょう~
- 65歳の定期接種の方
ニューモバックス接種が基本となります。ニューモバックス接種後1年以上あけてキャップバックスを追加接種して肺炎球菌予防は完了です。 ニューモバックス以外を接種希望の方は、任意接種(自費)にはなりますが、キャップバックスの接種も可能です。 - ニューモバックスをすでに受けたことがある方
ニューモバックス接種から1年以上経過していれば、キャップバックスを追加接種することで、強い免疫効果を得られ、肺炎球菌予防は完了します。 - 65歳以上でいずれの肺炎球菌ワクチンも未接種の方
キャップバックスまたはプレベナー20を1回接種することで予防が完了します。
まとめとご案内
肺炎球菌ワクチンは選択肢が増え、内容も進化しています。
どのワクチンが自分に合うか迷われた場合は、ぜひご相談ください。
「広く・長く・経済的に守る」――時代とともに進化する肺炎球菌ワクチン。
肺炎球菌感染は、高齢の方や基礎疾患のある方にとって重症化しやすい感染症のひとつです。現在、日本では複数の肺炎球菌ワクチンが使用でき、新しい世代のキャップバックスも選択肢のひとつとなりました。
それぞれに特徴があり、どちらも肺炎予防に有効です。
大切なのは、ご自身の年齢や接種歴に応じて、最適な方法でしっかり肺炎を防ぐことです。
肺炎球菌ワクチンの接種をご希望の方は、ぜひ一度ご相談ください。

